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非上場株式の遺産分割はどう進める?現物・代償・換価の3つの分け方

相続財産に非上場株式が含まれていると、遺産分割の話し合いは一気に複雑になります。非上場株式は不動産と同じく、物理的に切り分けることができない財産だからです。しかも相続開始から遺産分割が成立するまでの間、株式は相続人全員の準共有という宙ぶらりんな状態に置かれます。分け方の選択肢は、大きく3つあります。

1つ目は現物分割です。特定の相続人が株式をそのまま取得する方法で、事業を承継する人が決まっている場合には最もシンプルです。複数の相続人が共有のまま持ち続けることも制度上は可能ですが、共有株式については会社法106条により、権利を行使する者を1名決めて会社に通知しなければ議決権などを行使できません(会社が同意した場合を除きます)。その指定をめぐって再び揉める余地が残るため、実務では共有のまま放置することは避けられる傾向にあります。

2つ目は代償分割です。1人(または一部)の相続人が株式を取得し、その代わりに他の相続人へ代償金として現金を支払うことで公平を図ります。株式を後継者に集約しながら他の相続人にも取り分を確保できるため、非上場株式の遺産分割では比較的よく使われる方法です。ただし、株式を取得する人が代償金に充てる現金を用意できることが前提になります。

3つ目は換価分割です。相続人全員でいったん株式を相続したうえで第三者に売却し、その代金を相続人間で分配します。代償金の原資を用意できないときの現実的な選択肢で、売却額という客観的な数字が出るぶん、評価をめぐる対立が起きにくいという利点もあります。もっとも、非上場株式の多くは譲渡制限株式であり、買い手への譲渡には会社の承認手続きが必要です。買い手がすぐに見つかるとも限らないため、非上場株式を直接買い取る業者に相談し、いくらで現金化できるのかを先に把握しておくと、話し合いの土台をつくりやすくなります。

どの方法が適しているかは、会社の経営に関わる相続人がいるか、代償金を用意できるか、株式をいくらと見るかによって変わります。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停、それでも決まらなければ審判へ進むことになります。長期化するほど株式は準共有のままとなり、会社の意思決定にも影響が及びます。早い段階で株式の価値の見当をつけ、現金化という出口も含めて選択肢を並べておくことが、円満な解決への近道です。

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