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非上場株式を売却したときの税金|譲渡所得とみなし配当、何が違う?

非上場株式を売却したときの税金は、「誰に売るか」によって扱いが大きく変わります。同じ金額で売っても手元に残る金額が変わることがあるため、売却先を決める前に押さえておきたい論点です。

まず、発行会社以外の第三者に譲渡した場合です。売却益(譲渡価額から取得費と譲渡費用を差し引いた金額)は株式等に係る譲渡所得として、給与など他の所得とは分けて計算する申告分離課税の対象になります。税率は所得税15%・住民税5%に復興特別所得税を加えたもので、合計するとおおむね20%台とされています。売却益がいくら大きくても税率が上がらない点が特徴です。

一方、発行会社自身に買い取ってもらう場合(自己株式の取得)は扱いが異なります。受け取った対価のうち、その株式に対応する資本金等の額を超える部分は「みなし配当」として配当所得に区分され、非上場株式の配当は総合課税の対象となります。総合課税は累進税率のため、所得水準によっては譲渡所得課税より税負担が重くなることがあります。

たとえば、資本金等の額に対応する部分が1株500円の株式を、発行会社に1株2,000円で買い取ってもらったとします。この場合、差額の1,500円がみなし配当として配当所得に、残る500円が株式の譲渡対価として譲渡所得の計算に回ります。ひとつの取引が二つの所得に分かれる、二段構えの計算になるわけです。

ただし、相続で取得した株式には重要な特例があります。相続または遺贈により財産を取得し、納付すべき相続税額がある人が、相続の開始があった日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までの間に、相続税の課税対象となった非上場株式をその発行会社に譲渡した場合には、みなし配当課税を行わず、対価の全額を譲渡所得の収入金額とすることができます(租税特別措置法第9条の7)。適用にあたっては、譲渡する日までに所定の届出書を発行会社へ提出する必要があります。期限を過ぎると使えない特例ですので、相続した株式の売却を考えている方は早めに確認しておくことをおすすめします。

なお、発行会社ではなく第三者へ売却する場合は、そもそもみなし配当の論点が生じにくく、譲渡所得の計算だけで整理できます。売却先の選択肢を検討する際の判断材料の一つになるでしょう。

税率や特例の要件は制度改正によって変わることがあり、実際の税額は取得費を証明できるかどうかや他の所得の状況によっても変わります。正確な税額は税理士等の専門家にご確認ください。

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